よくあるご質問
合気道を稽古する人のほとんどは、社会人になってから合気道に出会います。
稽古を始める年齢や、それまでの運動・スポーツ経験等もそれぞれですが、合気道の上達にはそれほど関係がないように見受けられます。
勝敗や成績を競うスポーツが苦手でも、合気道には向いている。そんな方も、多くおられるようです。
また、合気道には、指導者や道場によって、大切にする部分や稽古内容が異なるという特徴があります。そのため、これまでの経験がかえって邪魔になるということも起こりえます(特に、悪い癖として定着している場合など)。
一方、未経験者は、合気道に対する固定観念や悪い癖が付いておらず、まっさらな状態で稽古を始めることができます。これは1つの強みとも言えます。
道場や合気道特有の作法はそれほど多くありません。また、相手や道場、備品などを大切に扱う気持ちがあれば、自然と作法に適った動きとなります。
たとえ知らない作法を間違えたとしても、道場では怒られるということはありません。間違いに気づいた指導者や先輩が、そっと注意してくれるはずです。
なお、道場での一般的な作法は、「当会について」(<参考1> 道場内規)に載せています。
合気道は、年齢や性別、体格を問わず、共に稽古ができる武道です。
その中でも、小柄で力に頼れない人ほど合気道を面白く感じやすい。私はそのように考えています。それは次のような理由からです。
体格が大きい人の方が、技が大きく、力強く動けることは確かです。見映えもします。ですが、体格が大きい人は、「力」や「勢い」だけでも、なんとか稽古ができてしまいます。それは、その分だけ、「技」を磨く必要性が減ってしまうともいえます。
一方、小柄な人は、「技」を磨く必要があります。そして、自分より体格が良い相手にも技が効くようになれば、それは間違いなく「技」が上達した証明となります。ですので、自分自身に上達が見えやすく、面白さを実感しやすいように思うのです。
ちなみに、合気道の開祖・植芝盛平先生の身長は155~6cm(5尺1寸5分たらず)でした。ただし、怪力無双で、20歳すぎから壮年期まで、体重は20貫前後(75キロ)と頑健だったと伝えられています(参考:『合気道開祖 植芝盛平伝』(1999, 植芝吉祥丸 編著, 植芝守央 改訂版監修, 出版芸術社, p63))
合気道は、試合がなく、相手を痛めつけることを目的としないため、ケガの少ない武道です。
ただし、ご自身の身体を使って稽古をしますし、武道としての厳しさも持ち合わせています。
そこで当会では、受身の習得はもちろん、ケガをする仕組みからその防ぎ方まで、丁寧にお伝えします(ケガをしない、させない稽古を大切にしています)。また、道具を使った身体のサポートやケアについても、柔軟に取り入れています。
なお、ご自身のケガや、相手にケガをさせるという万が一の事態に備えて、必ずスポーツ保険へご加入いただきます。
※大きなケガの防止や緊急事態への対応等を考慮して、お身体に不安をお持ちの場合は、入会時に必ず指導者までお伝えください。
合気道の稽古に最低限必要なのは、道着一式だけです。あとは月会費とスポーツ保険料くらいです(当会に入会金はありません)。
段級位の審査や登録にも、ほとんど費用はかかりません(当会では、級位は一律で千円)。
※費用の概要については、「⊕入会関連」のページをご確認ください。
合気道を稽古すると、たくさんの良いことがあります。
何よりも、合気道の稽古は面白い。合気道は長く続ける人が多い武道ですが、それは、稽古そのものが面白く、興味が尽きないからだと思います。当会の会員さんも、「稽古が楽しい」と言ってくださいます。
また、合気道は、自分の心と身体の使い方を学ぶための、優れた「稽古法」です。稽古を通じて「自分自身の力を最大限に発揮するコツ」を自然と掴めるため、合気道に熟達するにつれて、どのような分野でも上達が早くなります(合気道は武芸十八般に通ず)。
その他、私が道友たちから聞いた「合気道を始めて良かったこと」には、次のようなものがあります(※あくまで、個々人の体験です)。挙げればキリがないので、4つだけ。
- 体が柔らかくなった
- 痩せた(ジムに通うよりも、よほど効果があった)
- 身長が伸びた(姿勢が良くなった)
- 仕事での困難な状況を乗り越えられた
なお、合気道の稽古によって強くなれるのか、というご質問については、身につけた力を発揮する場面や、強さの定義によって、回答が異なります。「合気道と強さ」については、別の機会に書きたいと思います。
稽古に宗教的な儀式はありません。
一見すると、宗教的に感じる動作・作法(例えば「合掌」「礼」)も、全ては合気道の稽古とその上達のための、合理的な意味合いを持っています。また、基本的に同じ動作・作法が世界中の道場で行われていることからも、合気道の稽古法や作法が、人種や宗教を超えて受け入れられるものであることがわかります。
また、それぞれの動作・作法に対して、どうしても違和感がある場合でも、それを強制されることはありません。
袴の着用には特に規則などありませんので、着用のタイミングは道場や指導者によって異なるようです(男性の場合は有段者から、という場合が多いようです。私もそうでした。)。
当会では、袴の着用は個人の判断に任されますので、入門直後から着用することも可能です(子どもクラスを除く)。初段以上は、袴の着用が原則となります。
ただし、袴を穿くと、合気道で最も大切な足捌きが見えにくくなってしまいます。そのため、級位の間は、袴を着用する際には、裾をたくし上げて稽古を行います。
ちなみに、合気道が一般に普及する前は、袴を必ず穿く慣習がありました。和装では袴を履くことが公式だからです。しかし、合気道が普及して稽古を行う人が増えた段階では、まだまだ日本は、戦後の物資不足の状態にありました。そのため、全員に袴の着用を義務付けることはできなかったのです。そこで、せめて有段者だけでも袴を着けることにしよう、という申し合わせがなされました。その申し合わせが、いつの間にか「袴を着けられるのは有段者から」という慣習になったそうです。(参考:『合気道に活きる』(2018, 多田宏著, 日本武道館, p63))
稽古は「宗教的」でなく、「哲学的」に行います。
合気道開祖・植芝盛平翁(大先生)は、各種の日本伝統武術を究めるのと併せて、神道や真言密教などの宗教的な行を修められました(注1)。合気道に限らず、日本の伝統的な武術・武道の創始者には、宗教的な行者が多いことも事実です。
その一方、合気道は、2代道主・植芝吉祥丸先生を始めとする先生方によって体系化され、全世界に普及しました。2018年現在、約140ヶ国に合気会の組織・団体があります(参考: 合気会HP)。そして、世界各国・各地域の道場でも、原則として日本の道場と同じ作法・稽古内容で運営され、道友たちが稽古に励んでいます。このことからも、合気道が、人種や宗教を超えた普遍的な武道であり、稽古法であることがわかります。
(注1)大先生は、ご自身を「宗教家ではなく武道家」であると認識されていました。(参考:『合気道開祖 植芝盛平伝』(1999, 植芝吉祥丸 編著, 植芝守央 改訂版監修, 出版芸術社, p281))
次の2点を踏まえて、日常的な感染予防や、新たな感染症によるパンデミックに備えています。
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(原則1)会員と、その周りの人々の安全を最優先とする。
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(原則2)臨機応変に感染防止策を取りつつ、稽古環境の維持に努める。
感染症の種類や、感染拡大の状況等に応じて、臨機応変に感染対策を図ります。ただし、「会員と、その周りのご家族・関係者の健康を守ることを最優先とする」という点は変わりません。皆さまのご理解とご協力をお願いします。
なお、当会の「感染症に対する向き合い方」については、こちらに整理しました。(note:『感染症への対応(合気道至心会)』)https://note.com/aikidoshishinkai/n/n7b1bc5419e9c