稽古は「宗教的」でなく、「哲学的」に行います。

合気道開祖・植芝盛平翁(大先生)は、各種の日本伝統武術を究めるのと併せて、神道や真言密教などの宗教的な行を修められました(注1)。合気道に限らず、日本の伝統的な武術・武道の創始者には、宗教的な行者が多いことも事実です。

その一方、合気道は、2代道主・植芝吉祥丸先生を始めとする先生方によって体系化され、全世界に普及しました。2018年現在、約140ヶ国に合気会の組織・団体があります(参考: 合気会HP)。そして、世界各国・各地域の道場でも、原則として日本の道場と同じ作法・稽古内容で運営され、道友たちが稽古に励んでいます。このことからも、合気道が、人種や宗教を超えた普遍的な武道であり、稽古法であることがわかります。

(注1)大先生は、ご自身を「宗教家ではなく武道家」であると認識されていました。(参考:『合気道開祖 植芝盛平伝』(1999, 植芝吉祥丸 編著, 植芝守央 改訂版監修, 出版芸術社, p281))