合気道は、年齢や性別、体格を問わず、共に稽古ができる武道です。
その中でも、小柄で力に頼れない人ほど合気道を面白く感じやすい。私はそのように考えています。それは次のような理由からです。
体格が大きい人の方が、技が大きく、力強く動けることは確かです。見映えもします。ですが、体格が大きい人は、「力」や「勢い」だけでも、なんとか稽古ができてしまいます。それは、その分だけ、「技」を磨く必要性が減ってしまうともいえます。
一方、小柄な人は、「技」を磨く必要があります。そして、自分より体格が良い相手にも技が効くようになれば、それは間違いなく「技」が上達した証明となります。ですので、自分自身に上達が見えやすく、面白さを実感しやすいように思うのです。
ちなみに、合気道の開祖・植芝盛平先生の身長は155~6cm(5尺1寸5分たらず)でした。ただし、怪力無双で、20歳すぎから壮年期まで、体重は20貫前後(75キロ)と頑健だったと伝えられています(参考:『合気道開祖 植芝盛平伝』(1999, 植芝吉祥丸 編著, 植芝守央 改訂版監修, 出版芸術社, p63))